• 夜明けの来訪におびえる
    全身全霊の慕情で罵ってあげる

    理屈なくとも生きられる
    弱虫の酩酊は幸甚

    命をくくる春を待つ
    倖せをくりぬいた

    名残雪の言づて
    君という型に触れる

    灯の儚さに俯いて
    海に突き落とした身空
  • 昏い在処で描いた微光
    息継ぐのみ:朝に晩に

    忽焉、恋に溺れる
    あなたが翳した一握りの

    星屑を巡る君の傍にいたいよ
    君の絶望が光明

    命の埋め合わせ
    傷つけて当然だって笑う

    微生物の遺骸を踏み荒らす
    ペトリコールにひれ伏す
  • 宇宙で独りだけの密約
    壊した夢を素足で歩く

    海に還れぬ真珠
    白線から落ちたら負け

    死神が来てくれない
    不完全を隠蔽する弱虫

    可哀想に溺れていたい
    波になれない貝殻

    星灯りの秘めごと
    冬の余韻をつれる春霞
2025.12.05